「フレクセル」は1960年代初めに英国最大の化学会社「ICI社」によって開発されました。開発を担当したのはスコットランドにある「ICI社」の「ノーベル・ディビジョン」です。

「ICI社」の化学者、グラスゴー大学の建築家、遠赤外線の専門家、電気技術者などがチームを組み、最良の「面状発熱体」の開発に取り組んだ結果、「フレクセル」は誕生しました。

 

現在年間50万u以上の販売実績(1998年実績)があり、欧州では重要な文化財でもある、教会や美術館の床暖房としても広く使用されています。
最初に開発された「フレクセル」マーク1はシリコンゴムをバインダーとして、ガラス繊維布にカーボンを焼き付けた製品でした。
その後平均耐用年数が約100年という英国住宅に対応すべく、シリコンゴムを、より耐久性のあるテフロンにかえ、現在の「フレクセル」マーク2に改良されました。

「フレクセル」は当初、天井暖房を目的に開発されました。
スコットランドの寒さと冬の日照時間の短さから、家の中に太陽光線を取り込もうと考えたからです。
「生育光線」、「健康光線」と呼ばれる10ミクロン前後の波長で放射される遠赤外線が直接体内の温点を暖め、比較的低い室温(18℃〜21℃)でも、十分な暖かさを得られるように「フレクセル」は設計されました。

その後、床下に敷設しても同様の効果(遠赤外線の放射)があることから、床暖房としても広く用いられるようになりました。

1978年、「ICI社」の技術者、営業担当者がそのまま引き継ぐ形で、「フレクセル」の製造及び販売権が「ICI社」より「フレクセル・インターナショナル・リミテッド社」へライセンスされました。

1980年代に入ると、「フレクセル」の優れた性能が認められ、欧州を中心に急速に普及しはじめました。1985年には、英国の輸出貢献企業として、「フレクセル・インターナショナル社」に女王陛下からクィーンズ・アウォードが授与されました。

  日本における本格的な販売は、1987年からです。

翌1988年より4年間、日本スピンドル製造株式会社(東証1部上場企業)が販売を担当しました。

1997年には「日本フレクセル株式会社」が設立され、日本でのより積極的な販売活動が開始されました。